育休中の年末調整はどう書く?手当の扱いや損しない書き方を徹底解説!
会社から年末調整の書類が届いたものの、「今年は育児休業中(育休中)で給料をもらっていないけれど、提出する必要はあるの?」「受給している給付金は年収として書くべき?」とペンを止めてしまう方は少なくありません。休職中だから関係ないと放置してしまうと、払いすぎた税金が戻らないばかりか、配偶者の税金が高くなってしまうリスクすら潜んでいます。
手当の税務上の位置づけや配偶者控除の仕組みを正しく押さえておけば、書類の作成自体は決して難しくありません。本稿では、育休中における各種申告書の具体的な書き方から、パートナー側の申告時の注意点、還付金を無駄にしないための実践ポイントまで徹底解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:育児休業給付金や出産手当金は非課税のため、年末調整書類の年収・所得欄には一切含めずに記入する。
- 要点2:会社を休んでいても、年内の給与天引き分がある場合や生命保険料の支払いがあれば還付金を受け取れる。
- 要点3:妻(夫)が育休で収入減の場合、配偶者側の年末調整で配偶者控除・配偶者特別控除を満額適用できる可能性が高い。
【大前提】育児休業給付金は年収に含まれる?知っておくべき非課税ルール
育休中の年末調整で最も多くの方が迷うのが、「受給している手当を年収にカウントするのか」という点です。雇用保険から支給される育児休業給付金は非課税扱いとなっており、所得税や住民税の課税対象にはなりません。同様に、健康保険から支給される出産手当金や出産育児一時金も非課税です。
税務上の申告書に記入する「給与所得」や「所得の見積額」は、あくまで課税対象となる収入のみを指します。したがって、育休手当の所得金額は記入不要であり、年収として合算する必要はありません。1月1日から育児休業に入るまでに勤務先から支払われた給与・賞与の総支給額(非課税通勤費を除く)のみを年収として計算します。
「出さないと損する?」育休中に年末調整書類を提出すべき3つの理由
「給料が出ていないのだから出す意味がないのでは」と考えるのは禁物です。育休中の年末調整を提出しないとどうなるのか、家計に直結する3つのデメリットを整理しておきましょう。
まず第1に、産休・育休中の年末調整による還付金を受け取れなくなる点です。年の途中で産休や育休に入った場合、それまでに天引きされていた源泉徴収税額は「1年間フルタイムで働いた前提」で引かれています。休業によって年間の合計所得が下がるため、払いすぎた所得税が戻ってくるケースが大半です。
第2に、翌年度の住民税への影響です。年末調整を行わないと会社から自治体へ正しい給与支払報告書が送られず、確定申告をしない限り自治体側で正しい税額計算ができません。第3に、後述する生命保険料控除や住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の適用が漏れてしまうリスクがあるため、休職中であっても会社からの書類は必ず期日までに提出しましょう。
【書類別】育休中の年末調整の書き方と記入例|基礎控除・保険料控除の実践ガイド
勤務先から配布される主要な申告書について、育休中ならではの具体的な記入方法を見ていきます。
基礎控除申告書における育休中の記入例では、「給与所得の収入金額」の欄に今年1月1日から現在までに支給された課税給料・ボーナスの合計見込み額を記載します。育児休業給付金は0円として計算するため、1月〜12月を通じて全期間育休を取得しており給与支給がゼロの場合は、収入金額を「0円」、所得金額も「0円」と記入してください。判定区分は基礎控除額が最大(48万円)となる区分にチェックを入れます。
続いて、保険料控除申告書の育休中の書き方です。育休中であっても、自分名義で民間保険会社に支払っている生命保険料や地震保険料、個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛け金があれば通常通り控除証明書を添付して記入します。ただし、自身の年内所得税がすでにゼロになっている場合、自分名義の申告書に書いても控除しきれないことがあります。その際は、生計を一にする配偶者の申告書側で生命保険料控除として申告するほうが世帯全体の節税につながるケースもあります。
夫(配偶者)側の年末調整はどう書く?妻の育休手当と配偶者控除の落とし穴
妻が育休を取得している場合、配偶者(夫)側の勤務先で提出する育休中の年末調整における配偶者控除の書き方が極めて重要です。普段は共働きで妻の年収が高く、配偶者控除の対象外となっている世帯でも、育休中は基準を満たすケースが多発します。
ポイントとなる育休中の夫の年末調整における妻の年収は、前述の通り給付金を除いた課税給与のみで見積もります。たとえば、年の前半に産休へ入り年内の給与収入が103万円以下であれば、夫側の申告書で配偶者控除(控除額38万円など)が適用可能です。また、給与収入が103万円を超えて201.6万円未満(※夫の年収制限あり)であっても、段階的に控除を受けられる配偶者特別控除の対象になります。
配偶者特別控除の育休中書類見本を記入する際は、妻の「本年中の合計所得金額の見積額」欄に給付金を足さず、1月からの給与支払額から給与所得控除を差し引いた金額のみを正確に転記してください。手当を年収に含めて記入してしまうと、本来受けられるはずの配偶者控除から外れてしまい、夫側の所得税・住民税が高くなってしまうため十分な注意が必要です。
住宅ローン控除やふるさと納税はどうなる?育休中の税金・還付金シミュレーション
育休中の税務メリットを最大化するうえで、見落とせないのが各種控除の枠組みです。
住宅ローン控除を育休中の年末調整で受ける場合、住宅ローン控除は「支払うべき所得税(および一部の住民税)から直接差し引く税額控除」である点に注意しなければなりません。年間の給与収入が低く、そもそも納める所得税がゼロであれば、住宅ローン控除を申請しても還付される税金自体が存在しないため控除枠が余ってしまいます。夫婦でペアローンを組んでいる場合などは、休業中の片方の控除が無駄になってしまう現象が起こり得ます。
また、育休中のふるさと納税限度額計算も大きな見直しが必要です。ふるさと納税の控除上限額は「その年の課税所得」をベースに決まります。給付金は非課税所得のため上限枠の計算には含まれません。昨年の年収基準で寄附を行ってしまうと、上限を大幅にオーバーして単なる自己負担の寄附になってしまうリスクがあるため、必ず「休業期間中の実際の課税給与額」を基にシミュレーターで上限を再計算してください。
育休復職後の年末調整手続きと知っておきたいスケジュール
育児休業を終えて職場復帰を果たした年についても、育休復職後の年末調整手続きを滞りなく進める必要があります。年度の途中で復帰した場合、休業期間中の給料は支払われていませんが、復帰後の給与から再び源泉徴収が始まります。
復職年の年末調整では、会社側が「1月1日〜休業前」および「復職日〜12月31日」までの社内給与データを合算して年間税額を再計算するため、従業員側で特別な合算作業をする必要はありません。ただし、復職直後で手元に控除証明書が揃っていない場合などは再発行に時間がかかるため、秋口の段階で控除関係書類を整理しておくのが円滑な手続きの秘訣です。
【育休中の年末調整の書き方】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:1年間まるまる育休で給与収入が完全にゼロだった場合も、年末調整の書類は出すべきですか?
A1:はい、勤務先から提出を求められている場合は提出が必要です。収入がゼロであることを勤務先および自治体に確定させることで、配偶者の控除適用や住民税の非課税判定が正しく行われます。基礎控除申告書の給与所得欄には「0円」と記入して提出してください。
Q2:育児休業給付金の決定通知書や振込通知書は、年末調整書類に添付する必要がありますか?
A2:添付する必要はありません。育児休業給付金は非課税所得であり税務申告の計算外となるため、証明書の提出は求められません。会社へ提出するのは、生命保険料控除証明書や住宅ローン控除関係書類など、通常の控除証明書のみです。
Q3:年末調整の提出期限に間に合わなかった場合はどうすればよいですか?
A3:勤務先での手続きに間に合わなかった場合でも、翌年2月16日から3月15日までの期間に自身で確定申告を行えば、払いすぎた税金の還付や各種控除の適用を受けられます。還付申告のみであれば、該当年の翌年1月1日から5年間にわたり提出が可能です。
まとめ:正しい申告で還付金を逃さない!家庭の税負担を減らすポイント
育児休業中の年末調整は、「給付金は非課税であり年収に含めない」という基本原則さえ押さえておけば、迷うことなくスムーズに記入できます。自身の還付金を受け取るだけでなく、パートナー側の配偶者控除・配偶者特別控除を適切に活用することで、世帯全体の税負担を大幅に軽減できる重要な手続きです。
手元に届いた申告書類を後回しにせず、正確な見積もり金額を把握して早めに提出を済ませておきましょう。 (出典: 育休 中 年末 調整 書き方(Yahoo!ニュース))